ヲタクの戯言

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ふざけたレポート ~A Whole New World歌詞比較

卒論を書いてる中で過去に書いたレポートを参考にしようと開いてみたらなかなかふざけてたのでネタとして公開しようと思う。こんなに適当なレポートのくせにそこそこの成績をいただき、授業内発表も私らしいと褒められた気がする。

 

ということで提出したそのままを載せようと思う。

 

語彙研究レポート~A Whole New Worldより

  1. テーマ選択

私は提示された4つの中から「英語あるいは日本語の詩(歌詞も可)から比喩の例を選び、その効果がどのように生じているか説明しなさい」を選択した。1のテーマ*1も気になったが現在2019年7月25日23時33分*2。時間がない。そう考えると日ごろから歌詞について考察したり、1日24時間あるうちの12時間は音楽を聴いてるんじゃないかと思うような生活をしているので取り組みやすいと考え、このテーマを選択した。

 

  1. 選択した歌詞

「A Whole New World」

1992年に公開されたウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで製作されたアラジンで使われた劇中歌の一つ。アラン・メンケン作曲、ティム・ライス作詞。この楽曲は、1993年に第65回アカデミー賞の歌曲賞を受賞する。作曲者のアラン・メンケンにとって1991年の同じディズニーのアニメーション映画『美女と野獣』の同名主題歌「Beauty and the Beast美女と野獣」に続く連続受賞となる。また、同年のゴールデングローブ賞主題歌賞も受賞、映画音楽部門賞の二冠獲得となった。1994年にはグラミー賞最優秀楽曲賞も受賞した。ディズニー楽曲の中でも特に有名な楽曲の一つであり、多くの人が曲と映画のシーンを思い浮かべることのできる曲であろう。

 

  1. 英詩に使われている比喩表現

  • Aladdin「I can show you the world Shining, shimmering, splendid」

歌の始まりの歌詞。「Shining, shimmering, splendid」に重点を置き解説をしてみる。直訳すると「輝いている、かすかに光っている、見事な」となりアラジンとジャスミンが魔法の絨毯に乗って見ている世界を説明している。アニメの中では宮殿から街中へと移動している瞬間であり、儚く輝く夜空の中である。何が輝いているのか。アラビアの国が舞台なのでもちろんネオンや街灯の明かりは全くないだろう。彼らにとっての「輝いている、かすかに光っている、見事な」対象は星空や風景のことではない。囚われの環境から解き放たれた心持ちだったり、今まで見たことのない世界にフィルターをかけ輝いているように見えるのではないかと考える。

  • Jasmin「Through an endless diamond sky」

エンドレスダイヤモンドスカイって…それほどの輝かしい夜空なのか。これはダイヤモンドの連想的意味が使われている。それにしてもダイヤモンドのような輝かしい空っていう表現いいなあ。それも無限ということで2人の感動的な出会いと行動力と将来を案じさせる一文にもなっているところがさらにこの楽曲の良いところだと感じる。

  • Jasmin「A hundred thousand things to see」

100も1000も見るものがある。実際はそんな量一気に見ることは出来ないのでたくさんという連想ではあるが実際の数字にすることで明示的にも表現していると考える。

  • Jasmin「I'm like a shooting star」

この歌詞の中で唯一「~のよう」と書き表せている。「私は流れ星のように」と流れ星のスピード感であったり、一瞬で過ぎ去る儚さ、瞬く輝きを2人の関係性になぞらえているのだろう。また、ジャスミン自身宮殿の外に興味を持っていたが大切に育てられてきて親への裏切りをしたくない心情から、少し強引ではあったがアラジンに外の世界を見せてもらい自分自身の決断だったり、行動力が流れ星のようだとも言い表せるのではないかと考える。

 

  1. 日本語歌詞に使われている比喩表現

〈1992年 アニメーション版 吹替え歌詞(訳詞:湯川れい子)〉

歌詞の一部ということで数少ない情報量で世界観を伝えるのは難しいことなので直喩につながる言葉は書かれていないがここではきらめく星はダイヤモンドのような輝きなんだろうと考える。先ほど原文の中にもダイヤモンドの比喩が使われていたのでダイヤモンドの輝きや価値観が連想的意味として聞き手にわかりやすい表現になっているのだろう。

 

 

隠喩になっている。満天の星空、どこまでも広がっている星空、自分たちは魔法の絨毯に乗っているが海の中の魚のように自由気ままに動くことが出来ることから空や大地ではなく海にしたと考える。

 

〈1992年 劇団四季版 吹替え歌詞(訳詞:高橋知伽江)〉

四季版ではあまり比喩表現が使われていなかった。星屑と戯れるってどういうことだろうと思うがそこの部分の原文歌詞と比較するとやはりdiamondの部分なのであとで各ダイヤモンドについて考察する。星屑とジャスミンが戯れるのか、星屑が夜空のなかで戯れているのか。前者の場合は魔法の絨毯から降りているような光景が想像され、後者ではそのような風景の中を魔法の絨毯が通っているように想像される。なので伝えたい表現としては後者であると考える。

 

〈2019年 実写映画版 吹き替え歌詞(訳詞:もりちよこ)〉

でました。ダイヤモンド。これは同じく別で書きましょう。

夢も星も数えることのできない莫大な数のものと表しているのだろうか。たとえとして、“あたかも/まるで”なんて言葉を付け加えると直喩として成りたつ。“あたかも夢は星の数/まるで夢は星の数。”このように語呂の関係で必要以上に言葉を入れられない場合は直喩を連想する言葉は消されていくのだろう。

“まるで”ということばが使われていることから直喩であることがわかる。またこの1フレーズはひとつ前の段落の「夢は星の数」と続けられたものである。この後に“昨日へは戻れない”という歌詞が続くのだが、流れ星の瞬時性から二人の出会いの奇跡を象徴しているのではないか。

 

日本語歌詞は翻訳家やアレンジによって細かい表現が異なるので今回は代表的な3つを取り上げた。特に最近公開された実写映画版の歌詞は今までアニメ映画版で聞き馴染んでいた私の耳にはとても不自然に聞こえていた。しかし深く歌詞を読んでいくと言葉に差異はあるが伝えたいこと、表現したいことに変わりはないことがわかった。

 

  1. 注目すべき“ダイヤモンド”

この歌詞を通じて必ず使われていた比喩が“ダイヤモンド”である。物質としてのダイヤモンドは天然物として最も硬い物質であり、アクセサリーに多用される。石言葉は「永遠の絆・純潔・不屈」。(=これらは概念的意味)宝石といえばダイヤモンドという連想が強いためか、このようにダイヤモンドが連想的意味として使われたのがと考える。また、石言葉に「永遠の絆」があることから、身分違いではあるが結ばれたいと心の中で思っている2人にぴったりな代名詞になったのだろうか。

 

  1. それぞれ比較し考察をして

多くの比喩の部分がジャスミンパートであった。一般的に女性のほうが夢見がちであったり、理想を強く持つといわれているがそれが反映されているのではないかと考えた。また、アラジンとジャスミンの生まれ育ちのことを考えると、ジャスミンには教養や知識が多いのには間違いない。思ったことをそのまま歌詞にするアラジンに対し比喩を通して更なる想像を膨らませるジャスミンの歌詞になっているのだろう。

 

  1. 参考文献

 

 

 

あらためて読んでみるとまあ適当なこと。ブログ記事としてこれを世に出すならまだしもこれ、期末レポートなんですよね。こんなレポートを受け取ってくれてありがとう先生。自分が英語系の学科に通い、英語学のゼミに所属しているからこそこんな視点から作品を捉えてしまうのだろう。まあ、大学生になる前から翻訳されたディズニー作品に疑問や違和感を感じることはあったけれども。A Whole New Worldに関してはアニメーション映画のほかにも舞台や実写映画化があったことから比較対象が多くやりやすかった。

 

ということで来週に迫った卒論を書いてくる。それもそれでヲタクの考察ブログのような内容と書き方なのでそのうち公開するかもしれない。

*1:①のテーマが何だったか覚えてない

*2:提出期限は多分7月26日